夢街の片隅にて──消えた画家の断章
あの画家は消えてしまった。絵画だけが、夢の続きを語り続けている。
本展示は、「消えた画家」が残した美術品の展示である。
これらの絵画が、どこから、どのようにして集められたのかは定かではない。
一部は古書店の奥で、一部は廃館の倉庫で、あるいは夢の中で発見されたという噂もある。
皆、作者の姿を忘れてしまった。
ただ、全ての絵には「ツツミソウ」という署名が、まるで夢の端に添えられるように残されている。
忘れられた夢は、今もなおここで息をしている。
消えた画家の展示室